ほっとけやん 第28話

わかやま新報2009年9月3日掲載

「障害者・高齢者の権利を守る」

NPO成年後見紀の国サポートセンター 事務局長 滝 寿行

特定非営利活動法人(NPO法人)成年後見紀の国サポートセンターは、麦の郷など福祉関係団体からの支援を受けて、平成20年11月に設立しました。
成年後見制度は、介護保険制度とともに平成12年4月に施行されました。
認知症、知的障害、精神障害などの理由で、判断能力の不十分な方々の権利を守り、保護し、支援するのが成年後見制度です。この制度では、法定後見人と任意後見人に二つに分かれます。また、「法定後見人」には、その人の判断能力の程度によって、裁判官が、「補助人」か「保佐人」か「後見人」かを決めます。
「任意後見人」とは、あらかじめ本人が十分な判断能力のあるうちに、「任意後見契約」を作成し、公正証書としておくものです。
例えば、判断能力が不十分なために「高額な商品を買わされた」、「財産の管理が出来なくなっている」などの事態に、その人に代わって、「法定後見人」や「任意後見人」が、「契約解除」、「財産管理」などの対応をしていきます。
しかし、成年後見制度の利用者は、介護保険の利用者に比べて、全国的にみても少ないのが現状です。
 成年後見紀の国サポートセンターでは、和歌山の地域で、より多くの人達に利用していただこうと設立しました。
現在は、法定後見(保佐人)一件と任意後見一件を受任しています。
法定後見(保佐人)の方は、被保佐人の姉からの依頼でした。被保佐人は、両極性のそううつ病で、若いころ発病しいったんはよくなり、結婚しましたが再発しました。その後、入退院を繰り返し、離婚しました。離婚後は、被保佐人の姉が面倒を見てきました。しかし、姉のほうも仕事と弟の看病で疲れ果て、不眠症となり入院にいたりました。
保佐人としての財産管理は、被保佐人の収入が、月額一〇万円の障害年金のみですからそう難しくありません。しかし、一人で生活出来なくなったので、障害者施設に入所させることになりました。自ら進んでの入所でないために不安や不満がたくさんあり、施設の職員や保佐人に話しづらく、ストレスがたまっているようです。現在は、姉に不満を話しますので、姉から不満を聞きだして、施設の職員との間の問題を解決するようにしています。被保佐人の不安のないような生活をつくることが最も大切なことです。
成年後見紀の国サポートセンターは、高齢者、障害者やその家族などからのさまざまな悩みをお聴きする総合相談所です。それぞれの分野における専門家が応援させていただきます。お気軽にご連絡ください。 連絡先は
〒640-8331
和歌山市美園町5丁目4-6 (美園商店街)
TEL:073-418-2020 fax:073-432-7586