ほっとけやん 第205話

わかやま新報2024年4月4日掲載

復活!みんなのつながり文化祭              第47回障害児者家族のつながりを広める文化祭副実行委員長

和歌山県立和歌山さくら支援学校 校長 溝端 英二

 令和6年2月25日(日)に和歌山ビッグホエールにて5年ぶりに第47回障害児者家族のつながりを広める文化祭(以下、文化祭とする)を開催し、1000人以上の来場者を迎え、盛大に行うことができました。オープニングでは、岸本周平和歌山県知事をはじめ、県議会議員や市議会議員、教育委員会や福祉部局の方々にご参列いただき、盛大に文化祭が始まりました。

 ステージでは、初めに文化祭を盛り上げるべく和歌山地域密着型アイドルグループFun✕Fam(和歌山初のご当地アイドルグループ)がゲストとして登場、歌やダンス、抽選会のゲストとしても会場を盛り上げてくれました。この文化祭でFun✕Famのファンになった参加者も多かったのではないでしょうか。その後、参加団体による歌やダンス、バンド演奏、5年ぶりの出場となった和歌山さくら支援学校のダンスや紀伊コスモス支援学校のよさこいも文化祭に活力を与えてくれました。また、交流レクリエーションのゲストとして和歌山城おもてなし忍者が登場。隠れ身の術では、田中秀樹文化祭実行委員長自ら舞台に上がり、ほのぼのとした雰囲気をつくってくれました。アリーナ内では作品展示や自主製品の販売、ボッチャの体験。自主製品の販売は、文化祭終了後も店を閉じられないほどの売れ行きでした。雨という天気にも負けず、ビッグホエールの外では模擬店もあり、にぎわいを見せてくれました。

 寒くなった一日でしたが、5年ぶりに学校を卒業した生徒と先生、友だちとの久しぶりの再会を喜ぶ姿、福祉関係の職員と先生との再会などあらゆる場所で「久しぶり」「元気やった?」「今どうしてるの?」など再会を喜び、懐かしむ声がよく聞こえ、寒さの中に暖かさが詰まった文化祭でした。

 当会の加盟事業所も複雑かつ危機的な思いで今回の改定をみています。福祉資源が無かった時代から障害のある仲間たちや家族、関係者と生きる権利や命を守り歩み続けてきた事業所が、現行制度では競争主義や成果主義で評価され自己責任の名の下で存続が危ぶまれざる得ない現状があります。一方、福祉だけが特別じゃない、社会保障費は無限にないのだから成果なき事業所が淘汰されていくのは仕方ない、という世間からの声も聞こえてきます。福祉の法律や制度が障害者の命や権利、そこで支援する職員を守るのではなく“分断”を生むものへと変わってきてしまっていることを痛感しています。しかし、本当にこれでよいのでしょうか。

 さて、今年で47回を迎えた文化祭。開催をするまでには、関係者の皆様の積み重ねた会議や準備、ご協力のおかげで無事開催することができました。心より皆様には感謝申し上げます。来年度以降、文化祭も時代と共に変化していくことがあるかもしれません。しかし、変化しても『人と人がつながる』という大切な心は変わらないと思います。今後とも皆様のご協力をお願いできればうれしく思います。